人生のためになる言葉があったりなかったり。
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何が敗因かと問われれば、修兵に丸投げしたことだろう。
「なんスかっ!この部屋っ?!」
恋次が室内に入って、玄関を振り返ると、玄関からリビングのベランダまで、綺麗に一本、霊道が通っていた。
現世における、西暦20××年。
叛乱を鎮圧し、戦後処理も落ち着いた頃、次世代を担う隊長を選抜するという運びとなったのだが
「すンません、カンベンして下さい」
「頼むから、もう、休ませて下さい」
各自、直属の上司に懇願したところ、流石に働かせすぎたと、総隊長以下、全員の意見が一致したので、恋次と修兵は「死神休暇」を取ることができた。
「死神休暇」とは、有給で六ヶ月から一年の間、好きなところを研修地に選んで、のんびりゆったりできる、いわばサービス休暇だ。
特別に功績のあった死神に認められる制度だが、各々、叛乱の鎮圧に多大なる貢献をした、恋次も修兵も、充分にその資格があった。
同時に休暇が認められたので、恋次と修兵とで、どこへ行くかと話し合う間もなく
「俺、現世に行きてぇ!」
修兵がそう言い出して、特に異論もなかったので
「いいッスよ」
恋次が承諾したところ
「手配は俺がすっから!!」
そう言うと、瞬歩の勢いで、コトに及ぼうと手を伸ばした恋次の身体を突き飛ばして、部屋を飛び出していった。
「…」
一抹の不安が、恋次によぎったが、瀞霊廷通信の編集長(代理)で、手配や事務作業はお手の物だろうと、油断したのが運の尽き。
休暇初日、用意されて行った部屋を訪れたら、霊道の通った部屋には、すでに“おひとりさま”在住。
同道した不動産会社の社員は
「予め御説明した通りです。よろしくお願いしますね」
とだけ言って、そそくさと去って言った。
そこで、予めの御説明を、修兵から聞き出したところで、以下回想
「2DKで、4万円ですかっ?!」
できるだけ、家賃を安くあげたかった修兵は、不動産会社の担当に、いきなり無理難題をふっかけた。
「イヤイヤ、無理ですよ。」
案の定、相手にされない。
「駅から多少は離れていても、ここ、空座町ですよ?」
空座町は、中央線沿いで都心まで一本なうえに、最近私鉄との相互乗り入れで利便性が高まり、人気上昇中だ。
ベッドタウンでもある。
「2DKなら、駅から徒歩15分以上でも、10万円強は予算をみていただかないと…」
と言ったところで、少々首を傾げた後
「お客様がおっしゃったような物件が、ないこともないですが…」
微妙に言い淀んだところをスルーして、修兵はその話に飛びついた。
ソレが、これから恋次と修兵が暮らす部屋に決定した。
即ち、幽霊騒動で、住人が頻繁に変わる部屋、である。
「俺、コッチの部屋なっ!」
修兵は、リフォームと清掃が済んでいる、綺麗な部屋の、奥の広い方に勝手に荷物を広げ始める。
「ちょっと待てっ!なんでこんな部屋に決めたンだよっ!!」
折角の休暇なのに、借りた部屋に既に先住人がいるようなものだ。
恋次は軽くキレかけたが、修兵は何処吹く風で
「別にいいダロ?俺達、死神なんだし」
呑気な様子だ。
恋次の感覚で言うと、自宅の真ん中を、公道が一本通っているような物なのだが、修兵は頓着しないらしい。
眉間に皺がより、拳をにぎりしめたところで
「俺達の研修内容、“霊道の研究”にしといたしぃ」
一応、研修として休暇をとるので、某かの名目は必要だが、だったら単に、現世研究とかで良いはずだ。
こめかみに血管が浮き上がるくらい、イラっと来たのだが、最終的には、拳を振り上げることもなく脱力。
(先輩に関しちゃぁ、直ぐ諦めちまうクセがついてるよなぁ…、俺)
惚れた弱み故、イマイチ強く出られない。
取り敢えず、叱るのは後回しにする。
後回しにしている時点で、敗北決定。
子供のイタズラは、その場で叱らないと、効果無し。
先住の霊の魂葬を優先した結果、室内は今のところ、色々な意味で、綺麗に片づいているが、先に荷物を広げ始めていた、修兵の部屋は散らかり始めている。
(部屋の片づけも、俺なんだろうなぁ…)
もしかしたら、一緒にいたいからでは無く、家事に便利だから、同居を承諾したのではないかと、あながち外れてはいないであろう予測に、深い溜息が漏れる。
そんなワケで、のっけから恋次の疲労感MAXで、恋次と修兵、「死神休暇」の、始まり始まり~。
***
コレ、結構続くのですが
タイトルを
「死神★おにいさん」にするか
「Come on! KARAKURA」にするか
悩んでます。
***
既刊・新刊の
感想をありがとうございます♪
嬉しいです!
***
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