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人生のためになる言葉があったりなかったり。
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XYZ
久方ぶりに早上がりをして、奥への廊下を渡っていると

「みぎゃー!!」
「うわぁ!!」

けたたましい声が中庭に響いている。
視線を送ると、流魂街から連れ帰った子供が、ベソをかいていた。

「どうした?」

声をかければ、ゴシゴシと目元を擦って口角を上げようと繕っている。
どうやら、「笑え」と言った、拳西の言葉を実践しているようだ。

「来い。」

そう呼びかけると、欄干まで寄ってきたところを、抱き上げる。
裸足で汚れた手足のままなことで、隊長羽織が汚れることも、お構いなしだ。

「・・・うっ、アヒル・・・たいちょー・・・。」

グスグスと鼻を啜りながら、語る言葉は要するに、九番隊の庭に住み着いている、犬か猫かに、拳西が与えたおもちゃを奪われたということで・・・。

「また買ってやる。」

軽い気持ちで、拳西はそう言うが、泣きやむことはなく

「・・・あのアヒル・・・隊長が・・・いい。」

その言葉に、拳西はハッとする。
自らも流魂街出身で、衣食住に不自由をしながら育ち、ここまできた。
なのに、いつの間にか、“ある”ことがあたりまえになり、大切にすることをおろそかにしている自分を認識する。

「そうか。じゃあ、闘って取り返せ。」

そう言うと

「うあ”い」

頷いて、けれどもまだ、グスグスと泣いているから

「隊長はここにいるだろぉーが。」

そう言うと、ハッと顔を上げ

「俺、拳西の副隊長になる!!」

ようやくに泣きやんで、ギュッとしがみついてくる、小さな子供。
その、無力な子供に、思わぬ教えを受けた。

「俺はアヒルの替わりか?」

笑いながら尋ねると

「違うぅ!」

拗ねたような口調で、一層しがみついてくる。

忘れがちな、けれども大切なコトをを気づかせてくれる。

拳西にとって

小さな子供は

大切な“何か”になりつつあった
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